【年の瀬に伝える感謝】お歳暮や年末のご挨拶と供養の気持ち

今年も残すところわずかとなり、お世話になった方へのお歳暮や、ご近所への年末のご挨拶を考える季節になりました。今回は年末の供養や年始の準備について、喪中の方もそうでない方も参考にしていただけるようご紹介します。

喪中とは

「喪中(もちゅう)」とは、近しい家族や親族を亡くした後、その悲しみを悼み、派手なお祝いごとを控える期間のことをいいます。一般的には、亡くなった方との関係性や地域の慣習によって長さは異なりますが、故人の命日から13か月が経過するまでの間とされています

喪中の範囲

喪中とされる範囲は、二親等までの親族(両親・子ども・祖父母・兄弟姉妹・孫など)が亡くなったときに喪に服すのが目安とされています。ただし、いとこやおじ・おばなど三親等の親族でも、生前に特に親しかった場合は喪中とする方もいます。このように喪中とされる範囲は、故人様との関係の深さや地域の慣習によって異なります。

控えるべきこと

年末の準備では、喪中はがきで新年の挨拶を控える旨を伝え、年賀状は送らないようにすることが大切です。相手が年賀状を用意する前の12月上旬〜中旬に届くよう出すと安心です。また、結婚式や宴席などの出席は控えめにし、やむを得ず出席する際は落ち着いた装いと振る舞いを心がけましょう。門松やしめ飾り、鏡餅やおせち料理といった正月飾りも、忌明けの五十日を過ぎるまでは控えるのが無難です。

控えなくて良いこと

すべての行事や楽しみをやめる必要はありません。お雑煮や年越しそばなど、長寿や繁栄を願う料理は、祝いの食材に注意しながらいただけば差し支えないとされています。また、神社ではなくお寺への参拝であれば、静かに手を合わせる形で問題ありません。お年玉も「お小遣い」や「書籍代」といった名目にすれば、気持ちを伝えながらも配慮のある贈り方になります。

年末 自宅での供養と過ごし方

年末は、仏壇や仏具を丁寧に掃除し、一年の感謝を込めて整えるよい機会です。ほこりを払い、ろうそく立てや花立てを磨くことで、気持ちもすっきりと新年を迎えられるでしょう。お供え物には、故人の好きだったものや、季節の果物・お菓子を用意すると、温かな雰囲気になります。年の瀬に家族で集まり、仏前に手を合わせてこの一年を振り返り、近況や新しい年への思いを語り合うのも大切な時間です。

お歳暮とは ― ご先祖様へのお供えに由来する贈り物

もともと正月にご先祖様を迎える御霊祭のために、本家や実家へお供え物を届けたことに由来します。塩鮭やするめ、数の子など、神酒のおつまみになる食材を年末に手渡し、感謝とともに新年を迎える準備を整えたのが始まりといわれています。
この風習が「お世話になった方への贈り物」となり、現在のようにお酒やお菓子、調味料などを贈る習慣へと発展しました。
お歳暮は、単なる年末の挨拶にとどまらず、「大切な人やご先祖様への想いを形にする」贈り物なのです。

相手側が喪中の場合

お歳暮を贈る際には、故人様宛にお歳暮を贈るのは控えましょう。ご遺族を悲しませてしまうこともあります。熨斗は紅白の水引ではなく、無地の奉書紙や白い短冊に「御歳暮」と記すのが適切です。
また、四十九日まではご遺族が落ち着かない時期なのでお歳暮は避けましょう。
松の内を過ぎてから寒中見舞いとして贈るのが良いとされています。送り状や手紙を添える際は「おめでとう」といった表現は避け、相手を気遣う言葉を選ぶことが大切です。

自分側が喪中の場合

自分が喪中の場合でも、お世話になった方へ感謝を伝えるためにお歳暮を贈ることは差し支えありません。四十九日や五十日祭を過ぎてから、シンプルなのし紙で贈るのが望ましいでしょう。ただし宗派によっては気にする場合もあるため、可能なら事前に確認しておくと安心です。

故人様宛に届いた場合の対応

故人様宛にお歳暮やお中元が届くこともあります。お礼状を添えて同額程度のお返しをするのがマナーです。お礼状には亡くなった日付や連絡が行き届かなかったことへのお詫び、そして感謝を記し、先方が気に病まないよう配慮することが大切です。

まとめ

年末の忙しい時期だからこそ、お歳暮やご挨拶を通じて感謝を伝えるとともに、ご先祖や故人様への「ありがとう」を心の中や仏壇の前で伝えましょう。慌ただしさの中にも、感謝とつながりを感じながら過ごす年末が、穏やかな新年への第一歩と繋がります。

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