2025.04.04

葬儀コラム【喪主編】

近年、葬儀やお墓、不動産の準備などを含む「終活」という言葉を耳にする機会が増え、多くの方に知られるようになりました。一般的には高齢になってから考えるものと思われがちですが、実は終活に「早すぎる」ということはありません。
では、20代や30代のうちから終活を始めることは実際に早いことなのか、またどのような準備が出来るのかを考えてみましょう。
高齢の方が終活を始める理由として、多くの場合、遺族が手続きなどで困らないようにとの思いから取りかかることが挙げられます。そのため、終活は「人生を終えるための準備」という印象を持たれがちですが、「人生をより良く生きるための整理」でもあります。
では、終活を通じて多くの気づきを得るためには、どのようなことを行うと良いでしょうか。

書店などで販売されている「エンディングノート」は、終活を進めるうえで必要不可欠な存在です。市販のエンディングノートには、自身のことや家族・友人関係をはじめ、医療・介護、相続、遺言など、ほぼすべての事柄を記入できるページが揃っています。しかし、すべての項目を一度に埋める必要はなく、まずは自分が書きたいページから少しずつ記入していくことが、気長に終活を楽しむコツです。

最新のエンディングノートには、デジタル遺品についてのページも含まれており、特に20代・30代の方には重要です。現在、スマートフォン一台でSNSやサブスクリプション、ネットバンキングなど、多くの情報が集約されているため、これらの情報をエンディングノートに記載しておくことが大切です。こうして記入していくことで、「これはもう使っていないな」や「これって今どうなっているんだっけ?」といった不要な情報の整理も進めることができます。

また、多くのエンディングノートには、家族や友人へのメッセージを書くページも設けられています。万が一のことがあった場合でも、大切な人へのメッセージを残すことができ、最近会っていない人に対しては、久しぶりに連絡を取ってみようと思えるきっかけにもなります。

最初は市販のエンディングノートでなくても、普通のキャンパスノートを使っても構いません。自由に思いを記していくことが大切です。エンディングノートは遺言書とは異なり、法的効力はありませんが、心の整理や大切な人へのメッセージとして十分に価値があります。

ただし、注意点として、自身の個人情報を記載するため、安易に誰でも見られる場所に保管したり、インターネット上に公開することは避けましょう。ノートの保管場所は家族や大切な人にだけ伝え、安全に保管するよう心掛けてください。
エンディングノートにはデジタル関連やメッセージを記入することができますが、保険や相続に関してはよく理解していないことが多いのが現実です。
保険や相続については、将来の不安を減らすために早い段階で考えておくことが重要です。これにより、人生設計を見直すきっかけとなり、もしもの時に備える準備ができます。

普段はなかなか意識しないことだからこそ、この機会に基本的な知識を持っておくことが大切です。たとえば、保険については、将来の医療費や生活費のリスクに備えるための選択肢を知ることができますし、相続についても、自分や家族が直面する可能性のある問題を早期に理解することができます。
これらの知識を身につけておくことで、将来に向けた安心感が生まれ、万が一の時に冷静に対応できるようになります。
 
20代や30代からの終活は決して早すぎることではなく、むしろ今を大切にし、人生をより豊かに生きるための一歩となります。終活を通じて、自分の価値観や希望を整理し、家族とのコミュニケーションを深めることができます。また、エンディングノートのようなツールを活用し、定期的に更新することで、成長や考え方の変化を楽しむことができるでしょう。終活は人生の終わりを準備するだけでなく、今の自分を見つめ直す大切な機会でもあることを忘れずに、自分のペースで進めていきましょう。

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