お葬式は、故人を偲び、家族や親しい人々と共に悲しみを共有する厳粛な場です。そのため、個性を主張することは控え、静かで慎ましい振る舞いが求められます。多くの決まり事があり、戸惑うこともあるかもしれませんが、落ち着いて故人とのお別れに専念できるよう、今回は基本的なお葬式のマナーについてご紹介します。
服装
男性は、黒の礼服に白いシャツを合わせ、ネクタイ、靴下、靴も黒で統一するのが基本です。光沢のある素材や柄物は避け、シンプルで控えめな装いを心がけましょう。
女性の場合は、黒のスーツやワンピースなど、デザインのシンプルな喪服を選びます。派手な装飾や肌の露出は控え、落ち着いた印象を与えることが大切です。ストッキングは無地の黒を着用し、靴はヒールの低いものを選び、光沢を抑えたデザインにするのがマナーです。
アクセサリー・メイク
アクセサリーは、シンプルで控えめなものを選ぶのが基本です。特に結婚指輪や一連の真珠のネックレスは、落ち着いた印象を与えるため、よく用いられます。大ぶりで装飾が多いものや、光を強く反射するデザインのアクセサリーは避け、控えめで品のあるものを選ぶと良いでしょう。
メイクに関しては、自然な仕上がりを心がけることが大切です。ベースメイクは、肌を健康的に見せる程度に抑え、厚化粧にはならないようにしましょう。口紅は落ち着いた色味を選び、派手な赤や濃いピンクは避けます。チークもごく自然な血色を感じさせる程度に留め、目元のメイクも主張しすぎないようにしましょう。
香り
香水やヘアスプレーなど、強い香りがするアイテムは、周囲の人々に不快感を与える可能性があるため、使用を控えることが大切です。特にフォーマルな場面では、香りが主張しすぎないよう配慮することが求められます。香りは控えめで、必要以上に強くないものを選び、周囲の雰囲気に調和するよう心掛けましょう。
持ち物
派手な装飾や光沢が目立つアイテムは避け、シンプルで落ち着いた黒いバッグを選ぶようにしましょう。黒は正式な場にふさわしく、控えめな印象を与えます。また、仏式の葬儀に参列する際は、数珠を持参することが一般的です。万が一、数珠を忘れた場合でも、葬儀社によっては貸し出しサービスを提供しているところもありますので、参列する予定の葬儀社に事前に確認しておくと安心です。
焼香・お参りの作法
焼香の方法は宗派によって異なりますが、多くの葬儀社では式の前に焼香の手順を説明する時間が設けられています。もし説明を聞き逃してしまった場合でも、喪主や遺族が最初に焼香を行うので、その後に続いて同じように焼香を行うことをおすすめします。焼香の際は、周囲の方々の動きを見ながら慎重に行うと、場の雰囲気に合わせやすくなります。
言葉遣い
お悔やみの言葉は、簡潔で心を込めた表現に留めましょう。特に、直接的な表現や、不幸が続くことを連想させる「忌み言葉」は使用を避けることが大切です。また、ご遺族から話がない限り、病状や死因について質問するのは控えましょう。
さらに、ご高齢の方が亡くなった際に「大往生」という言葉を耳にすることがありますが、参列者が使うのは適切ではありません。一般的にお悔やみの言葉としてはふさわしくない表現とされているため、丁寧で慎重な言葉遣いを心掛けましょう。
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ご香典の準備
ご香典の表書きは、宗派に応じて適切な表記をすることが大切です。仏式の場合、薄墨を用いて「御霊前」「御香典」「御仏前」などと記載するのが一般的です。神式では「御玉串料」、キリスト教式の場合は「献花料」や「御花料」と表記します。それぞれの宗教や宗派の作法に従うことで、弔意を丁寧に表すことができますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
また、訃報連絡を受けた際に宗派が不明である場合もあります。そのような場合は、事前に参列予定の葬儀社に問い合わせて確認しておくと安心です。宗派によって礼儀や焼香の作法が異なることもありますので、事前に知っておくことで、当日の心構えができ、落ち着いて参列することができます。
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到着・退出のタイミング
参列の際は、少し早めに到着するよう心掛け、余裕を持って行動しましょう。到着後は、まず受付で記帳を済ませ、香典をお渡しします。その後、ご遺族や他の参列者と軽く会釈や挨拶を交わし、落ち着いた雰囲気を保つようにしましょう。
退出の際は、式場内の静けさを崩さぬよう配慮し、静かに会場を後にします。慌ただしくならないよう、穏やかな態度で行動することが大切です。
まとめ
葬儀の場では、控えめで丁寧な姿勢が何よりも大切です。適切なマナーを心がけることで、遺族や故人への深い敬意を表し、心を込めたお別れができます。
不安なことがあれば、葬儀社や身近な方に相談するのもひとつの方法です。
玉泉院では、365日24時間いつでもご相談を受け付けております。どうぞお気軽にお問い合わせください。
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