2024.12.27

葬儀コラム【喪主編】アフターフォロー

「忌中」と「喪中」は似た表現のため混同されやすく、その違いを明確に説明するのが難しいと感じる方も多いでしょう。
そこで今回は、身内に不幸があった際に使われる「忌中」と「喪中」について、それぞれの違いを詳しく解説します。
忌中は、神道の考えに基づき、「死は穢れたものである」とされ、その穢れが他者に伝わらないよう、外部との接触を避け、故人のために自宅で祈りを捧げて過ごす期間として設けられました。この考え方は神道に由来しますが、仏教においても、四十九日法要が終了するまでの期間を忌中と呼ぶことが一般的です。

喪中とは、家族や親しい親族が亡くなった際に、喪に服して生活の中で慎み深い行動を心掛ける期間のことを指します。
喪中は、故人を偲び、その供養を大切にする期間であると同時に、故人を失った悲しみを抱える人にとって心を癒すための時間でもあります。
さらに、喪中には避けるべき行動や習慣が存在し、それを知らないままでいると、身内や周囲から「常識に欠けている」と思われることもあります。そのため、正しい知識を身につけ、慎み深く過ごすことが大切だといえるでしょう。
喪中の期間は、一般的に故人が亡くなってから一周忌法要が終わるまでの「約1年間」とされています。本来、一周忌法要は故人の命日に合わせて行うものですが、最近では家族や親族が集まりやすい日程を考慮し、命日より前に繰り上げて行うケースも増えています。

0親等:配偶者

1親等:父母・義父母・子ども

2親等:兄弟姉妹・祖父母・義祖父母・孫・兄弟姉妹の配偶者・義兄弟姉妹・義兄弟姉妹の配偶者

喪中となる対象範囲は、一般的に故人から見て2親等以内の親族であり、配偶者やその家族(姻族)も含まれます。ただし、伯父・伯母(叔父・叔母)や甥・姪は3親等、従兄弟・従姉妹は4親等に該当しますが、3親等以上の親族であっても喪に服してはいけないという決まりはありません。
お付き合いの深い親族や内縁関係にある方が亡くなった場合にも、喪中とすることは一般的です。特に、年始の挨拶を控える際には「喪中はがき(年賀欠礼はがき)」を送ることが多く、その範囲や状況に応じた対応が求められます。
忌中と喪中の違いは、行う法要の種類によって異なり、喪に服す期間にも違いがあります。


年末が近づくと、お正月に向けてさまざまな準備をする方が多いと思いますが、喪中や忌中の方々は、以下の4つのポイントを押さえ、お祝いムードを控えめにし、静かに過ごすことが大切です。
・年賀状は送らない:喪中はがきや寒中見舞いを送る
・お正月飾りをしない:門松や鏡餅などのお祝い飾りは避ける
・おせち料理の食材や盛り付けに注意:紅白や祝いの食材を避ける
・新年の挨拶に注意:「あけましておめでとう」と言わず、「今年もよろしくお願いします」など控えめな言葉を使う
なお、子どもや孫が楽しみにしているお年玉の授受は行っても問題ありませんが、赤色やお祝いの色柄のお年玉袋は避ける方が良いでしょう。
神社は神道に基づいた祭祀の場であるため、忌中の期間中は死の穢れを避けるために、初詣や参拝を控えることが基本とされています。
初詣やお宮参り、七五三などは、忌中を過ぎれば喪中であっても参拝が可能です。しかし、地域や神社によって異なる考え方があるため、事前に該当の神社に確認しておくと安心です。
 
結婚式や祝賀会、お祝いのパーティーなどへの参加は、忌中の期間中は控えるのがマナーとされています。
主催者側は、周囲に配慮して喪中の期間を避け、喪明け後に日程を調整することが望ましいとされています。
ただし、結婚式の場合、両家の意向や新郎新婦の気持ち、キャンセル料や変更料の問題もあるため、家族でよく相談して決めることが重要です。
招待を受けた場合は、主催者の意向を事前に確認することで、トラブルを避けることができます。
喪中の期間中は旅行を避けた方が無難です。万が一、事故やトラブルに巻き込まれた際、周囲から故人の不幸が原因と考えられることがあるため、注意が必要です。
特に忌中の時期は、家族や親族から強く反対されることが多く、故人を失った悲しみに配慮し、自粛するのが賢明です。
ただし、会社や学校の行事で参加を避けられない場合や、すでに予約をしていてキャンセル料が発生する場合など、事情によって旅行を中止することが難しいこともあります。
その場合、旅行を計画する前に家族や親族、同行者と十分に相談し、後々のトラブルを避けるよう心がけましょう。
忌中や喪中の期間中に迷いやすい習慣についてご紹介します。次のことは、不幸があったご家庭でも問題なく行える習慣ですので、気にせず実施して構いません。
・寺院への初詣や参拝
・お中元・お歳暮
・暑中見舞いや残暑見舞い
・会食や飲み会、イベントへの参加
・遺品整理や引っ越し
キリスト教では、天に召されることは神のもとへ帰る幸福なことと考えられているため、喪中という概念は存在しません。死は悲しみではありますが、神の御許での安息を願い、故人を讃えることが重要とされています。
無宗教の場合、喪中という考え方は特に必要ありません。家族や周囲が気にしなければ、自粛期間を設ける必要はないでしょう。
しかし、無宗教の家庭でもお坊さんに読経を依頼する葬儀を行ったり、個人的にお仏壇を用意して供養を行うことがあります。そのため、仏教や神道と同じように喪中の期間を過ごす方もいるかもしれません。
また、訃報を伝えるための喪中はがきの準備が必要となる場合もあるので、その点にはご注意ください。
玉泉院では葬儀後もご遺族の皆様が安心できるよう、お悩みや困りごとの無料相談を承っていますのでお気軽にお問い合わせください。

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